新世代防護衣 ZIEGシリーズ
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放射線防護衣におけるJIS規格について

いつも弊社製品をご使用・ご検討いただき、誠にありがとうございます。

弊社ではこれまで多くの医療機関を訪問させていただいておりますが、その中で「JIS規格」や「IEC規格」といった防護衣の基準そのものが広く知られていないケースが見受けられました。

放射線防護衣に関する代表的な規格と、弊社が採用している考え方について、わかりやすくご案内させていただきます。

 

医療現場で使用されるX線防護衣には、安全性と信頼性を担保するための明確な規格が存在します。その中でも、日本国内において正式に採用されている規格のひとつが、国際規格IEC 61331(初版:1994年、最新版:2014年)に準拠した「JIS T 61331シリーズ」です。

JIS T 61331とは(制定:2016年
JIS T 61331は、国際電気標準会議(IEC)が定めた放射線防護に関する規格IEC 61331-1~3に準拠しており、主に以下の3部構成からなります:

JIS T 61331-1:防護材料のX線透過特性の測定方法(素材の性能)
JIS T 61331-2:透明材料(例:防護眼鏡)に関する基準
JIS T 61331-3:完成した防護具(例:防護衣)としての試験方法および性能表示
この規格では、X線の減弱効果を科学的に評価し、前面・背面それぞれの遮へい性能を測定したうえで、鉛当量(例:0.25mmPb)を明示することが求められます。

軽装/重装防護衣の定義
JIS T 61331では、防護衣の性能を以下のように分類しています:

区分 定義
軽装防護衣 全面(前面・背面ともに)0.25mmPb相当
重装防護衣 前面0.35mmPb~0.50mmPb、背面0.25mmPb以上


※ 前面と背面の鉛当量が異なる設計も可能ですが、軽装としてJISに準拠するためには、前面・背面の両方が0.25mmPb相当である必要があります。

なお、JIS Z 4501は、医療分野に限らず、工業用や研究機関など広範な用途における放射線防護具を対象とした汎用的な基準であり、必ずしも医療用途に特化した内容ではありません。

これに対し、「JIS T 61331」は医療用防護衣に特化し、国際的な評価方法と明確な試験条件のもとで防護性能が数値化されており、より信頼性の高い製品選びを可能にしています。

 

弊社がJIS T 61331を採用する理由
弊社では、防護衣を選ぶすべての医療従事者が"明確な根拠に基づいた製品選択"をしていただけるよう、JIS T 61331-3に準拠した仕様を採用しています。

前面・背面ともに0.25mmPb相当の遮へい性能を持つ軽装防護衣を標準とし、使用者がどの方向からのX線にも均一な防護が得られるよう設計。
世界的に信頼されているIEC基準に準拠することで、説明責任を果たしやすく、将来にわたって安心してご使用いただけます。


歯科用防護エプロンにおける鉛当量の取り扱いについて
JIS T 61331の制定において、新たに明確に定義された用途のひとつが「歯科用防護エプロン(Protective Aprons for Dental Use)」です。

これは、歯科放射線手技中に患者が上部胴体を保護するために着用する防護具であり、鉛当量は0.13mmPb以上であることが求められています。

一方で、医療用X線防護衣において「軽装防護衣」としてJISに準拠するためには、前面・背面ともに0.25mmPb相当である必要があります。製品ごとに構造が異なる場合もありますが、JIS T 61331の定義に照らして、最終的には使用者自身が規格を確認し、適正な判断を行うことが重要です。

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